修士課程(上級実践コース)

私は助産師として周産期領域で従事してきました。命の誕生という、微笑ましく思われることもある分野ですが、笑顔だけが溢れているわけではありません。我が子の障がいを知り、向き合うことや決定していくことに葛藤を覚えるご家族もいらっしゃいます。そんな中で私は出生後に初めて児の染色体異常を知ったご家族と出会いました。当時の私は知識もなく、どのような看護を提供することができるのか、どう関わっていけば良いのか分かりませんでした。このことをきっかけに「遺伝看護」を学びたいと思うようになり、大学院で深く丁寧に学べる場があることを知り、進学を決めました。今学んでいる最中ですが、周産期に限らず、遺伝看護は関係のない分野はないと言える程、あらゆる年代のあらゆる人々に関わるものだと感じています。その人の遺伝的背景を踏まえた関わりができるよう、そして周りにも発信することができるような遺伝看護専門看護師を目指しています。

私は乳がんが主科の病棟で臨床経験を経て、外来で乳がんの検診と確定診断の業務を行ってきました。働いている中で若年の方で正しい知識がなく、不要な検査を受けている実態を目の当たりにしました。そこで、遺伝性乳癌卵巣癌症候群について正しい知識を得て、知識を提供していきたいと思い入学しました。入学してからは、遺伝の基本的な知識はもちろん、専門看護師として求められるものを色々な科目から学びます。共通科目では、他分野の専門看護師コースの人との授業も多く、年齢や経験や価値観がそれぞれ違うモチベーションの高い同級生たちと切磋琢磨しながら学んでいます。そして、その分野の第一線で活躍されている方が講師に来てくれることも多く、たくさんの学びの場を提供していただいています。遺伝看護師として必要なことは日本の教科書をはじめとして、海外の教科書や文献も読みながら学習しています。他大学との勉強会、卒業生や現在活躍されている遺伝専門看護師の方とのゼミもあり、常に新しいことをアップデートして学んでいます。